赤い月 終



「オトーサーンんんん!!!」


白み始めた空に飛び出した黒曜の背中を、景時の叫び声が追いかけてきた。


(あのヤロー…
やっぱ殺す。)


その思いとは裏腹に黒曜の口元は、切なげに、だがどこか嬉しそうに綻んでいた。



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