赤い月 終

「ちょ… 勘弁シテクダサイ。
ソッチの趣味は皆無で…」


「バっカ、俺もそんな趣味ねぇわ。

オメェ、コレ‥‥‥」


黒曜の口調がガラリと変わる。

辺りに静かな鬼気が満ちていく。

顔を上げた黒曜は、射抜くような眼差しで景時を睨みつけた。


「…
おまえ、赤光(シャッコウ)なのか?」


『赤光』

オニと人の間に生まれた子。

オニから受け継いだ『闇』に飲まれ、狂い、ヒトどころか同族まで喰らう、赤いオニ。

オニからもヒトからも、忌み嫌われる存在。

本来であればもっと幼い頃、物心ついて小さな『闇』を孕んだ新月の夜に変貌を遂げるのだが、景時は両親がその身を捧げた加護によって守られていて…

って、そんな初期設定、まだ活きてたンだ?

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