赤い月 終
「落ち着いてられるかぁぁ!!」
一徹クラッシュを断念した秋時が、座卓にへばりつく景時の赤い頭をシバいた。
「痛って!」
顔を顰めた景時の隣で、またもナゼかうさぎまでキュっと目を閉じる。
うさちゃん、大丈夫。
いくらなんでも、飛び火でシバかれたりはしないから。
「ゼンキも…ナニ考えてンだ?
加護が消えたらどーなるかくらい、わかってンだろ。」
座り直した秋時が、座卓に頬杖をついてゼンキにまで文句を言い出した。
なんつーか、もはや愚痴。
秋時の顔色を窺うように、景時が恐る恐る片手を上げた。
「あのー…
鏡の中から帰って来れない前提だったから、俺も父さんもソコまで考えてなかったっつーか…
てか、助けに行けっつったのは、母さんだったみたいで…」