戸田くんの取り扱い説明書




告白されるのも、誰かと付き合うのも全くもって初めてな私。




私の中の予想図では、毎朝おはようって笑って、屋上行って授業サボったりとか、一緒に登下校したりとか。


教室にいても、誰かと話しながらもひょいと視線を合わせて、微笑んだりしてくれる。





しかし。

現実はそんなに甘いものではなかった。





家はたぶん同じ方向だけど、会ったら一緒に登下校するわけでもなく。


微笑んでくれるどころか、目すら合わせてくれない。


朝玄関で会っても「おはよう」と言ってくれたらまず奇跡。





あれ? 私……

本当に好きになってもらえてる?



毎日そんな不安に襲われる。




強制的に彼女にされた今更ながら、私は戸田くんを好きなわけでも嫌いなわけでもない。



高校入学してからもうすぐ半年が経つけど、戸田くんの性格をほとんど知らない。

今までに話した回数は、片手で数えられるくらい。




そんな事を考えている今も、戸田くんは私の斜め後ろの席ですやすやと気持ち良さそうに寝ている。


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