“またね。”
「…俺以外の奴らなんか必要ねぇだろ」

『必要ない』なんて、そんな言い方ないでしょ?

必要だから入れてあるんだよ。

「俺以外の奴ら、全員消せよ」

亮介以外の人?

さっきまでの焦っていた表情とは一変して、亮介は平然としていた。

“開き直り”としか言いようがない。

「…なに言ってんの?本気?」

ありえない。

おかしいよ。

「当然だろ」

本気でそう思ってるの?

足を雑に組み、亮介は荒々しく煙草に火をつけた。



異常な嫉妬。

強すぎる独占欲。

怒りなんてとっくに通り越していた。

あるのは喪失感と悲しみ。



もう限界。

ううん、最初から無理だったんだ。

菜摘はどこまでバカなんだろう。

こうなるまで逃げようとするなんて。



ベッドから立ち上がり、少し離れた白いソファーに腰掛けて煙草をくわえる。

落ち着かなきゃ。

2・3口吸うと、すぐに消した。
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