“またね。”
第6章+ひとときの幸せ+

あの日の選択

6月。

大ちゃんが卒業してからもう3ヶ月が経った。

菜摘、理緒、由貴、麻衣子は、かろうじて2年生に進級できた。

春休み中は追試と補習の嵐だったけれど。

隆志と都ちゃんは余裕の進級。

亮介は単位不足で留年し、自主退学したと聞いた。



大ちゃんとはたまに連絡をとっている。

毎日仕事に追われながらも頑張ってるみたいだ。

彼女とも一応続いてはいるけど、お互い仕事で時間帯が合わないから、あまり会っていないと言っていた。

入社したばっかりだもんね。



─『またね』─

あの約束は…まだ果たされてない。

会いたいけど、すごく忙しそうだから。



この頃にはサイトもやっと流行を終え、本当に平凡な日々が続いている。

そしてもうすぐ菜摘の誕生日。

『17歳』

昔はすごく大人な響きだったのに、菜摘は何も変わっていない気がする。

今年もお決まりの飲み会だ。

いつもと同様、歌って踊ってどんちゃん騒ぎして、みんなが潰れて解散する。

そしてまた、毎日同じことの繰り返し。

その『平凡』が充分幸せで満足していたし、これからもそうなると思っていた。



その誕生日パーティーが

思いもよらない運命を引き寄せたんだ。
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