“またね。”
【菜摘?どした?】

3ヶ月ぶりに聞く声は、相変わらず優しくて

やっぱり安心した。

それと同時に、涙が一気に溢れた。



「…大ちゃん、助けて─」



『怖い』

『助けて』

気付けばそう繰り返していた。



【はっ?意味わかんねぇよ!今どこ!?】

「うちの近くの…えっと…コンビニ…」

【待ってろ!】

叫び声と同時に、一方的に電話を切られた。

通話終了を知らせる音が、やけに耳に響く。

いつもは寂しくなってしまうその音さえも、今は優しく感じた。



『待ってろ』って、きてくれるの─?

菜摘の家から近いコンビニなんてたくさんある。

そもそも場所わかるのかな。

大ちゃんに送ってもらったのは1度だけ。

もう2年も前。

忘れっぽい大ちゃんが、覚えているとは思えない。



でも、きっと─

大ちゃんは、きてくれる。



ねぇ、大ちゃん。

会いたいよ。

怖いよ。

助けて─



「大ちゃん─」



いつかのように、少しだけ熱を持った携帯を強く握り締めながら

また少し泣いた。
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