“またね。”
仕事のあとで疲れてるのに呼び出しちゃったんだ。

悪いことしたよね…。

「…ごめんね」

「なんで謝んの?俺ちょうど菜摘に会いたいなーって思ってたんだよ」

大ちゃんはニッコリ微笑むと、菜摘の頭をそっと撫でた。

久しぶりの感覚だ。



本当に会えたんだ。

本当に大ちゃんなんだ─



なんだか改めて実感しちゃって、自然と笑みがこぼれた。

「なに笑ってんだよ。俺に会えて嬉しいの?」

「ん?わかんないけど、そうかもしんない」

「なんだそりゃ。素直じゃん」

スムーズに運転しながら、大ちゃんは『ははっ』と笑う。



「俺も嬉しいよ」



─大ちゃんって、いつも少し間を開けてから嬉しいことを言う。

普通に言われるより、一呼吸置いてからの方が嬉しくなること

大ちゃん、知ってるのかな。



「…ありがと」

「何がー?」

「なんでもないよ」

軽くドライブをすることになり、必要なものをコンビニで買い足すと、再び車を走らせた。
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