10年後も…〜song for you〜
「はい。飲んで」
ベンチに汗をかいてホッとひと息ついた晴人くんにスポーツドリンクのペットボトルを差し出す。
「サンキュー」
私は、隣に座って晴人くんの額の汗をハンカチで吹きながら顔を覗き込んだ。
「ごめんね。せっかくのデートなのに」
「え?なんで?楽しいじゃん」
晴人くんが優しくにっこり笑った。
「だって…なんか、あたしやっぱ女の子らしくないっていうか…」
「言ってるじゃん。俺は、そんな真琴が好きなの!一緒に居て、すっごく楽しいし、いっぱい元気もらえてる。それに、真琴は間違いなく俺にとっては、一番の女の子だよ」
そう言って立ち上がった晴人くんは、私の頭を撫でてくれた。
晴人くん…。
好き過ぎて、泣きそうになった。
もちろん嬉し涙。