10年後も…〜song for you〜
「健見て…虹!」
真琴の言葉にハッとした。
真琴が指差した空に、綺麗な虹が掛かっている。
俺も真琴の隣で空を見上げた。
今、時が止まってしまえば良い…
俺は、こみ上げてくる想いを抑えきれなくなりそうになっていた。
「真琴…俺ー」
ーピピピッ!
真琴の携帯電話が鳴った。
そして、電話に出た真琴の第一声に俺は言葉を飲み込んで、ため息をついた。
「もしもし!晴人くん」
真琴の嬉しそうな顔に、ナイフでえぐられたような気持ちになった。