10年後も…〜song for you〜
絵里さんは慣れた包丁さばきで、野菜を切っている。
自分が切った野菜と比べると一目瞭然。
私が切った野菜は、太さも幅もバラバラなのに、絵里さんが切った野菜は綺麗に均等に切れている。
私は、小さくため息を吐いた。
「げぇ、茄子焼くのかよ」
健が切ってる私達を見て呟いた。
健は、子供の頃から茄子が嫌いだ。
「え?健、茄子嫌いだった?ごめんね」
絵里さん、健が茄子嫌いなこと知らないんだ…。
「子供じゃないんだから、好き嫌い言わないでよね」
私が健に突っ込むと、絵里さんの言葉には無視したくせに、私には絡んできた。
「うるせー。お前だって、納豆嫌いだろ?あと、トマトやピーマン嫌いなお子様のくせによー」
むかー!
お子様って何よ!
「あんたの腕出しな」
包丁を縦に持って、健をキッと睨んだ。
「やだねー」
健が舌を出して、意地悪く笑った。
「つーか、絵里と比べるとお前やっぱ下手くそだなあ」
切った野菜をマジマジと見て、健は言った。
いまさら、言われなくても分かってるし!
「うるさいな。気が散るから、あっち行ってよー。2人の手伝いしなさいよ」
私は、顎で晴人くんと祐樹くんを手伝うように追い払った。