10年後も…〜song for you〜

「ではでは…」

祐樹くんが乾杯の指揮を取る。

「えー…真琴!」

突然名前を呼ばれて身体がビクっとなった。

あ、そっか。


就職祝いって言われてたっけ?


「就職おめでとー!そして、健!なんかよくわかんねぇけど、日本におかえり!乾杯ー!!」

なんだかよく分からない乾杯の挨拶にみんなが吹き出した。

笑いながらもみんなで乾杯した。









「うめぇ!最高!」

と、祐樹くん。

「柔らかいねー。クラッカーも美味しーい!」

と、夏美。

「ちょ、お前、肉ばっかり食ってないで、野菜も食えよ」

と、祐樹くんに健が。

「お前も、茄子食ってねーじゃん」

「うるせー」

「祐樹くんの言うとおり。健、私の茄子あげるね」

「げ、絵里までそんなこと言うなよ」


みんな和気あいあいとバーベキューを楽
しんでいる。


みんなの笑顔を見ているだけで、なんだかすごく嬉しかった。




「写真ばっかり撮ってるけど、ちゃんと食べてる?」

晴人くんが、焼けたお肉や野菜が盛ってあるお皿を私に渡した。

「食べてるよ。さっきも、もっと太れって、健にお肉たくさんもらったよ」

「真琴は、確かにもう少し太った方がいいな」

「え?知らないの?お腹タプタプだよ」


そんな私の言葉に晴人くんがニヤニヤして、

「今度、2人きりの時に見せてもらうから」

っと、耳元で囁かれた。






うわぁ〜!


それって、そういう意味だよね?


一気に身体が火照ってきた。



「ちょ、やだ。もう!」


私は、晴人くんの腕を叩いた。


「真琴また耳が真っ赤だ!」


そう言って、晴人くんはいたずらっぽく笑っている。



< 255 / 508 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop