10年後も…〜song for you〜

「今朝、俺のアパートのドアに立て掛けてあったんだ…これも貼ってあった」

祐樹くんが、一枚の紙を私に差し出した。


そこにも見慣れた健の字があった。


"祐樹、金は返せそうにないから、ギターをお前に託す。ごめん"


「ごめんで済んだら警察いらねーよ。まさかアイツが居なくなるなんて…ふざけんなよ」

祐樹くんはそう言うと自分の頭をかきむしった。


私は、ギターケースとその手紙を見て、またも涙がこぼれ落ちた。



夏美が私の肩を抱き寄せた。


「すぐ見つかるって。祐樹くんが健くんの知り合いに手当り次第連絡取ってるみたいだから…」

祐樹くんが夏美の言葉にうなづいた。

「健から連絡あったら、俺に連絡するようにみんなに頼んでる」


私は、ソファーに座りこんで、息を吐いた。

「柏木さんにも連絡したけど、健くんは来てないみたい…。それに、健くんと柏木さん…もう別れたって」


「え?」


夏美の言葉に息を飲んだ。



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