10年後も…〜song for you〜
健は、その声に立ち止まったが、振り向かなかった。
「健の…バカ!!何なの?幸せになれって?健に言われなくたって、幸せになるに決まってんじゃん!」
涙が止まらない。
それでも、泣きながら無我夢中で叫んだ。
「でも、でも…健がそばに居ないとダメなの!健がそばに居てくれるから、幸せなんだよ?他の誰かじゃダメなの!!お父さんと約束したんでしょ?あたしを幸せにするって!!だったら…だったら、健があたしを幸せにしてよー!!」
ここまできたら、もう抑えられなくなった。
「お願いだから…そばに居てよ…。健がそばに居ないとダメなの…居なくならないで…あたしをひとりにしないで!お願い健…もうあたしの前から居なくならないで!!」
健は、振り向かずに顔を俯いている。
自分でも驚くぐらい感情が抑え切れずに、吐き出していた。
溢れだす言葉と同時に涙も止まらない。