10年後も…〜song for you〜
その日の夜、夕飯を済ませてリビングでくつろいでいると、
「なぁ、真琴…俺さ、今度駅で路上LIVEしようと思ってんだけどさ」
「路上LIVE?良いじゃん!路上とか久々だね!」
「聴きに来てくれるか?」
「当たり前でしょ?健の歌、みんなに届くといいね。あ!久しぶりに、LIVEハウスのステージに立つのも考えたら?」
「おう。そうだな…最近調子も良いし、路上LIVEやって、LIVEハウスにお客さんを引き込んで行こっかな?」
「うんうん!健…あたし応援してるね!まずは、あたしがサクラになんないとね。夏美や友達にも声掛けとくね」
「さんきゅー」
健がにっこりと笑った。そして、隣に座っていた健は、私に甘えるように自分の頭を私の肩にくっ付けてきた。
そして、目を閉じて健は呟いた。
「なぁ…真琴」
「ん?なぁーに?」
「すげー好きだよ」
突然の言葉に真っ赤になり戸惑って、何も返せないでいると、健は背中を起こして、
「そこは『あたしも好きだよ』って返せよな」
と、言いながら右頬をつねってきた。
「だ、だっていきなり…」
こんなにストレートに愛情表現する健が意外でびっくりするんだもん…
あたしだって、好きだよ。
でも、はっきり口にするのは恥ずかしい…
ずっと、幼なじみの関係だったからこそ…。
「つーか、お前…俺になんか話あんじゃねーの?」
「え?」
健の言葉に驚いた。
さすがだ。
見透かされている。
「う、うん…」
私は言えずにいた事を話始めた。