10年後も…〜song for you〜
「俺のこと気にしてんのか?」
悩んでいる私に健が息を吐いた。
「なんでだよ…?」
「だ、だって…一週間だよ?」
「お前の写真が認められたんだぞ。夢に近づくチャンスだろ?行ってこいよ!」
「…でも」
一週間って、短いようで長いよ…
もしも、その間に健何かあったら…
あたし、絶対行ったこと後悔する…
健と離れたくない。
たとえ、一週間でも…。
「俺の為に犠牲になるなよ。行かないと後悔するかも知れねーぞ!自分からチャンスを捨てんなよ!」
躊躇している私を見て、声を荒げた。
健の言うことは正しい。
でも…
でも、素直になれない私は、
「あたしは、行って後悔したくないもん!健はあたしの気持ちなんて分かってない!健のことを心配することが何がいけないの?」
「だから俺は、お前が俺の為に夢を諦めて欲しくねぇんだよ!」
「あたしの夢は健のそばに居て幸せになることなの!それだったら、カメラや写真なんて捨てたっていい!健と離れたくないの!」
冷静さが無くなっていた。
感情的に言葉をぶつけてしまった。
すると、健が飽きれたように笑った。
「お前はガキかよ」
「え?」
「お前の夢はその程度だったのか?」
健のあまりにも冷たい低い声に私は息をのんだ。