10年後も…〜song for you〜
健はゆっくりと離れた。
「つーか、ガキの頃から知った仲だろ?今更お前の悪いとこ見たからって嫌いになんかなんねぇし、何年片想いしてきたと思ってる?」
片想い…
その言葉が突き刺さる。
健は何年もあたしを想ってくれていたんだった…。
バカなこと聞いちゃったな…。
「俺もさー…正直プレッシャーだぜ?」
「え?」
「晴人と違って俺ってあんなに優しくねぇーじゃん?晴人は俺より何十倍もいいやつなんだろ?」
ハッとした。
そういや、前に喧嘩した時にそんなことを言っちゃった気がする…。
「健の意地悪…」
そう言って顔を膨らませると、健はイタズラっぽく笑った。
「晴人くんは晴人くん。健は健だもん!」
「そういうこと!」
「うん!」
健の言葉で不安が消えた。
あたしはあたしらしくいよう!
そう心に決めた。