10年後も…〜song for you〜

真琴が眠る病室へと入って行った。




真琴のお袋さんが、真琴の手を握って泣いていた。



真琴は、色々な機械に繋がれて命をつないでいた。

そしてその姿はあまりにも酷で目を逸らしたくなる現実だった。




「真琴…」


その声にお袋さんが、俺に気付いた。



「健くん…よかった…目を覚ましたのね。でもまだ動いちゃダメよ。健くん発作を起こしたみたいよ。明日には東京から伊豆先生も来られるって…」


こんな時まで俺を心配してくれるお袋さんの優しさが俺には辛かった。



「すみません…俺のせいで…こんな…」


「健くんのせいじゃないわ…あなたは何も悪くないじゃない…」


「……」


「真琴…健くん来たわよ」


お袋さんが、真琴に声を掛けた。




俺は震える手で真琴の左手を握った。



「真琴?なぁ…何やってんだよ?起きれよ!何寝てんだよ?ふざけんなよっ!頼むから起きてくれよ!冗談だよ?って笑えよ!きょ、曲書いたんだよ!お前聴きたいんだろ?なぁ?聴いてくれよー!!!真琴ー!!!!!!」














俺は…真琴を幸せにする。







その願いが儚く消えた。






そして、再び発作を起こし、真琴の姿を見たのはこの時が最期だったー









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