トライアングルな恋


その姿を見ると、何だか食べないといけない気がしてくる。

「じゃあ、貰うわ。ちょうど腹減ってるし」

気が付いたときにはそう口にしていた。

だが、女は「ありがとう」と、寂しそうに笑う。

姉にやるだけでこんな顔、普通するか?そんなことを思いながらも、女の前に腰を下ろし弁当をあける。

「美味しそうでしょ。あたしが作ったんだよ」

楽しそうに笑いながら、おかずの説明をしだした。

「でね、やっぱり一番上手に出来たのが、これ!!」

指しだされた先は、俺の好物の肉じゃがだった。
< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop