過去の夢と今の約束
「で、どうすんの」
なかなか答えを出さない私に、痺れを切らしたのか急かす様に言う。
「ううん、帰る」
ふるふると左右に首を振ってから立ち上がる。
玄関まで行くと「ちょっと待って」と結羽ちゃんがついてきた。
「なに?」
「送っていく」
抱えていたコートを着ながら、靴を履こうとしている。
一個ずつすればいいのにと思いながら、その光景を眺めていると「なにぼーっとしてんだよ」と声をかけてきた。