桃色の初恋〈上〉

『今からする話し含めて、私と付き合う
 か決めてね。』

「・・・俺はお前がどんな話ししようと
 別れたりしない。」

『わかった。』


私は、決心した。
一番分かりやすく手短に伝える為に言う
言葉を選んだ。


『矢崎翼ってわかる?』

愁はうなずいた。

『私・・・五十嵐紗季は2年前に矢崎翼
 に性的暴力をされました。』


愁は表情を変えなかった。
私は、泣いた。こんな自分が嫌だった。
なんで、私はこの一件でずっと苦しまさ
れなきゃいけないの?


私は、走った。
愁の返事を聞く自信がなかったから。





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