俺は先輩に夢チュー
「離してっ!」
そんなセンパイの、悲鳴じみた声が聞こえた。
目を向けると、数人の男たちに囲まれているセンパイの姿が。
「センパイっ………!」
体が無意識のうちにセンパイに方へと向かった。
勝手に触ってんじゃねぇよ。
その人は………その人はお前らが気軽に触っていいような人じゃねぇんだよ。
イヤがってんのが分かんねぇのかよ……!
………………触んな。
触んな触んな触んな触んな触んな!!
「俺のモンに触ってんじゃねぇよ」
声が低くなってしまったのは、仕方がないと思う。
「ぁあ? ………んだよ、男連れかよ」
俺を見ると、男たちはどこかに行ってしまった。
センパイが一人で来てると思ったのかよ………。
「真人……?」
センパイの声で我に返った。
センパイは、心配そうに俺を見ていた。
心なしか、涙が溜まっている気がする。