俺は先輩に夢チュー





「今日、晴れてよかったですね」





自分でも少し苦しい話題だと思う。



でも、センパイは嬉しそうに「そうだね」と返してくれた。





「昨日、楽しみで少し眠るのが遅くなっちゃったの」





照れたようにセンパイは言う。



………だから電車で眠そうだったのか。





「今までこんな風に出かけたことがないからかもしれない。でも………」





と、センパイはそこで言葉を切った。





「でも、何ですか?」





そう問いかけると、センパイは少し顔を赤くした。





「やっぱり何でもない」



「何でですか? めっちゃ気になるんですけど」



「いいから。ほら、次あれ乗ろう?」





そう言ってセンパイが指差したのは、観覧車だった。


< 20 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop