俺は先輩に夢チュー
そう言ってドアを閉めて外に出た。
「あーもー。あの顔は反則ですよ、センパイ。てか俺、かなり重症……」
自分で授業行けとか言っておいて、出て行こうとすると途端に寂しそうな顔をする。
無意識なんだろーなー、きっと。
そーゆー計算出来なさそーだもんな、センパイは。
「あーぁ。厄介な人にホレちゃったなぁ、俺」
いつもならもうちょっと強引に言っても大丈夫なんだけど。
相手が、センパイじゃなければ。
ところで。
「センパイは何が好きなんだろう……」
自販機の前で一人悩む。
入学して、センパイのことを知って、興味を持って。
それからずっと一緒にいるけど……俺センパイのことなーんも知らないじゃん。
「コーヒーのブラックとか普通に飲みそう。でも、ココアとかも好きそう」
一人でぶつぶつ言って、不審者みたいだなー、とか。
「どっちも買えばいいか」
結局どっちも買って、冷えないうちにセンパイのいる生徒会室に急いだ。