恋人ごっこ
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コツコツと、離れていく彼の足音。
彼の部屋の扉が開く音がして、パタンと静かに閉まる音を聞いた。


「………、はぁ…」


今まで張っていた肩の緊張を解き、その場で座り込んだ。
扉にもたれる際に、頭がゴツンと扉に当たった。ちょっと痛い。


「…」


「わかりました」の返事。
答えた時、彼はどんな顔して言ったのだろう。
笑ってたのかな、それとも、少しは寂しいって思ってくれたかな。


「……」


頭を少し上げ、扉に手のひらで触れる。
ひんやりとした、硬質の感触。
それを求めて、また頭を寄せた。


「………ごめんね」


呟いた。

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