恋人ごっこ
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そちらを向く。


「おはよ仙崎」


目に入った人間に挨拶した。

焦茶色の髪と瞳の、ちょっとチャラチャラしてそうな、まぁ見た目かっこいい彼。
迷子になって生き倒れてた彼は、うちの新しい住人だった。
そして今、あたしの部屋の隣に住んでる。


「和葉さん早いですねー。まだ7時前ですよ?」


眠たそうにゴミの袋を持った彼は、そう言いながら目を擦る。


「コンビニ寄るから、早く行くんだよ」


と、嘘を言ってみる。朝食は食べないタイプだ。


「あーなるほど。いってらっしゃい」


「はい行ってきます。君も遅刻しないようにね。」


それを信じた彼に少しだけ微笑み、返すと、


「はーい」


ゆるく答える彼。
少し心配になりながらも、あたしは彼に背を向けた。

彼も、あたしと同じ学校らしい。
「見たことない」と言うと、「新入生だから」と、笑顔で言われた。
あたしは3年、彼は1年。
よって、彼はあたしに敬語を使う。
で、あたしは彼を「仙崎」と呼び捨てで呼ぶ。

そんな関係。



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