【単連】MEETs JUNCTION(BL含)



 カイシュウが出ていってしばらくしてから、俺はけだるい身体をベッドから起こした。
 腰と脇腹が痛む。
 シーツが擦れて、みみず腫れのような傷に障る。

 壁を支えにしてなんとか風呂場へ向かい、脱衣場で服を脱ぐと、鏡が醜い俺の身体を写し出した。

 首から下が、まるで模様のように赤い痕が浮き出ている。

 手首には紐が食い込んだような痕。

 古い傷に上塗りするように、身体中が気持ち悪い程腫れていた。


 情事と諸々の痕、だ。








 大学に入ってから二年とちょっと。家には一度も帰っていない。

 中学の時に自分の性癖に気付いたが、親に話す事は出来なかった。
 親に嘘を付いている事に悩み、家を出る事をきっかけにカミングアウト。

 母親は困惑した表情をしてから泣いた。

 俺は逃げるようにして家を出た。


 それから何度か電話も来たが、出てはいない。

 きっと、『ごめん』と何度も言うに違いない。



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