【単連】MEETs JUNCTION(BL含)



「これ、煙草じゃないっスよ。ローソク」


 胸元の火傷を目敏く見付けたマサヤ先輩に、教えてあげた。


「SM用だと痕にならないですけどね。最近はあんま使ってくれない。生温いのかな」


 先輩の顔が何か言いたそうに歪む。


「先輩、ホント大丈夫ですよ。死ぬわけじゃないんで」


 眉間に皺を寄せて、泣きそうな顔をするマサヤ先輩に、俺は形ばかりの笑顔を作る。

 が、マサヤ先輩の顔は心配したままだった。

 俺の笑顔も長続きはしなくて、俺は視線を落として足元の草を弄る。


「いいんスよ、別に俺がどうなったって。最悪、事故かなんかで死ねれば一番都合いいって思ってるくらいなんで……」


 自分なんてどうだっていい。

 どうだっていい。









 両親の為に、自ら形ばかりの縁を切った。



 カイシュウの気持ちが晴れるならと、暴力に耐えた。




 だけど、親からは常に電話がなった。


 カイシュウの表情は醜くなるばかりだった。







< 15 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop