【単連】MEETs JUNCTION(BL含)
何気なく聞いた言葉に、ヤスヒロは僅かに俯く。
「あの人、昔の彼女との間に子供がいるんだって。今の彼女と結婚したいけど、その事を話せなくて悩んでるって。
後でわかったことだし、認知もしてないから自覚もないし、養育費も払ってないって……」
「……ふーん、」
ヤスヒロの視線を追って、ヒロタカも視線を足元に向ける。
「悩むって事は嫌われたくないって事だし、言わなきゃいけないってちゃんとわかってるって事だよ。できちゃったモンは仕方ねーって開き直るより、よっぽどマシじゃん」
「うん……、俺もそう言ってあげた」
「ん、そっか。それがいいよ」
ヒロタカは顔を上げてヤスヒロに笑顔を向けた。
「ねぇ、ヒロタカ」
ヤスヒロはヒロタカの瞳を捕え、真っ直ぐに見据える。
自然と足は止まって、向かい合う形になる。
「俺、言うから」
「………。」
「マサヤには、ちゃんと言いたい、から。わかって貰いたい。マサヤには」