サクラのハナビラ

「あとさ、お前声でかすぎね。後ろまでまるぎこえ。バカがバレるぞ。」


彼はけだるそーな表情でさらっと言いはなった。


ズンと心に突き刺さる…。



なんで初対面の人にここまで‥。



そう思うとなんだかふつふつと怒りがこみ上げてきた。



「な‥なによあなた‥。何様?!人のことバカ呼ばわりして‥。まぁたしかにバカだけど‥あなたはどれほどのもんなのよ!」



一気に言い終えてスッキリしていたあたしに彼は1枚のカードを取り出した。



学生証‥?



「この春から晴れて現役東大生。天才でもないけどバカではないな。」



東大‥??



負けた‥。



急に恥ずかしさがこみ上げてくる。



「でも。お前発音いいじゃん。わかんないくせに。おもしれーヤツ!」



そう言った彼はすごく綺麗な笑顔を見せた。



なによ…。そんな顔もできるんだね‥。



落ち込んでたの気づかってくれた‥?



‥って落ち込ませたのも彼だけど‥。



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