花に、嵐
数メートル先、横断歩道の向こう側、こちらに向かって小走りの美桜ちゃんに軽く手を振った。
夜風にふわりと揺れる柔らかな髪を、時々手で押さえながら、美桜ちゃんはちょっと怒ったような、困ったような、複雑な表情をしている。
…………面倒くさいな。
きっと、いろいろ心配かけたことなんて、頭の隅っこに追いやって、わかりやすくため息を吐いた。
そんな自分勝手な思考に陥りながら、美桜ちゃんが来るのを待っていたら
「んじゃ、俺、帰るわ」
そう言って旺司郎は立ち上がった。
「え?か、帰るの?」
私の問いかけに、ほんの少し眉間の皺を寄せた旺司郎は
「美桜ちゃん来たんなら俺もういなくてもいいだろ、別に」
あっさりそう言ってさっさと美桜ちゃんとは反対側に歩き出した。
「ちょ、旺司郎待ってよ!」
慌てて私も立ち上がって旺司郎を追いかける。
「花菜!?花菜!」
後ろから聞こえる美桜ちゃんの声はどんどん大きくなっている。
夜風にふわりと揺れる柔らかな髪を、時々手で押さえながら、美桜ちゃんはちょっと怒ったような、困ったような、複雑な表情をしている。
…………面倒くさいな。
きっと、いろいろ心配かけたことなんて、頭の隅っこに追いやって、わかりやすくため息を吐いた。
そんな自分勝手な思考に陥りながら、美桜ちゃんが来るのを待っていたら
「んじゃ、俺、帰るわ」
そう言って旺司郎は立ち上がった。
「え?か、帰るの?」
私の問いかけに、ほんの少し眉間の皺を寄せた旺司郎は
「美桜ちゃん来たんなら俺もういなくてもいいだろ、別に」
あっさりそう言ってさっさと美桜ちゃんとは反対側に歩き出した。
「ちょ、旺司郎待ってよ!」
慌てて私も立ち上がって旺司郎を追いかける。
「花菜!?花菜!」
後ろから聞こえる美桜ちゃんの声はどんどん大きくなっている。