叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。

ーーー…
ーーーーー…



「冬樹ん?」



ふゆきんってなんだよ、おい。

目の前で目をパチパチさせる仁のやつに深いため息ひとつ吐いた。


教室の片隅。

梅雨独特のジメジメとした感じ。


雨がイヤな季節になった。



「なんでため息?」


「うるせぇーよ」



お前には話したくねぇーよ。

だって、縮まったと思ったのに。


相沢と仲良くなれたと思った。


少しだけだけど、近づけたと、そう思ったのに。


抱きしめちまってからというもの……


また、距離ができたような気がする。


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