叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


授業が始まったのはいいけど、今教室に戻ったら絶対に怒られる。


一方、泣き止んだ相沢はどこかワクワクしたような表情で本棚をゆっくり歩きながら眺めている。


…別に戻らなくてもいいか。

相沢と、まだ一緒に居たいし。


俺も彼女の隣に行き、一緒に本を眺めた。



『あっ!』



そんな顔をして手に取った一冊の絵本。


それは誰もが知っているシンデレラという童話だった。


パアッと明るくなった彼女を見るとこの本が好きなんだとすぐにわかった。



『…んえ!』



……え?


とびっきりの笑顔で何かを伝えて来た相沢の口パクを聞き逃してしまった。



「ん?なに?」


『よ、ん、で』



今度はゆっくり、俺が読み取りやすいようにと口を大きく開けてくれた。


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