SトロベリージャM
そのあと、実野里はすぐに家へ帰った。


(わたしの居場所はここだけ・・。)


そう思いながら、ベットに寝そべった。


幼い頃の大地の写真は、脳裏を刺激して目頭を熱くさせた。


(どうして、わたしの愛するものばかりが消えていくの?)


地獄の果てに追い詰められたのような苦しみを味わいながら、眠りについた。




大地とわたしは、ストックが咲き乱れた花畑にいた。

わたしは、すぐにこれが夢だと思った。

ストックの花は、人の手によって栽培されるので、この花が無限に咲き乱れた花畑なんて存在しないと思ったからだ。

でも、香りがリアルに感じられる、不思議な感覚に襲われた。

ストックの花は、花畑の香りがすると言われている。

わたしの隣には大地がいて、手を繋いで花畑を歩いていた。

花を踏まないようにきちんと道ができており、2人は微笑み合いながら、1本道を歩いていた。

だが、その1本道は、先の方で2つに枝分かれしていたのだ。

わたしは、大地に戻ろうと言ったのに、大地には先が見えていないようで、わたしの手を引いてどんどん進んでいった。

やっと、大地にもその光景が見えたのだろう。

足取りが止まった。

しかし、その瞬間、地面が揺れ始め、ゴーッと地響きが起こった。

気付いたときには、大地はわたしの身体を押し、地割れの間に落ちていった。

「美野里、愛してた・・。」

暗闇に落下していく大地。

(アイシテタ?)

「わたしは、今も愛してるのに~っっ!!」




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