ゆるふわなキミ


「今日は部活お休みだし、何の心配もしなくていいからね!
萌はあたしが守ってあげる!」

放課後。
最近の私の事情を知ったユカは、鼻息を荒くして周りを見回していた。

「ユカがいてくれれば大丈夫だよ!ありがとう!」
「萌……あんたってば……かわいすぎだよー!もー!」
「きゃー☆」

そろそろ校門につくのに、変なこと言っても、ユカに抱きしめられても、全然怖くない。
むしろ来いよ!ゆるふわ!ってカンジ。

「しかし……いないねぇ。その『ゆるふわ』って人」
「あれ?」

二人できょろきょろと探してみるも、ゆるふわの面影すらない。
ゆるふわを囲んでた女子が目に入る。けど、彼女たちもゆるふわを探しているのか、きょろきょろしてる。

「今日は……来ないのかなぁ?」
「かなぁ?」

それならそれで平和なんだけど……
あれだけ嫌だって拒絶しまくっててもポジティブについてきたゆるふわが?
でも見渡してもゆるふわの姿はない。

「ま。いないならいないでいいじゃん。
そだ。前に美味しかったって言ってたクレープ屋さんに連れてってよ。ねっ♪」
「う、うん……」

クレープ屋さんにいるのかもしれない……
そんな私の不安はよそに、その日にゆるふわに会うことはなかった……


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