ゆるふわなキミ


楽しそうに女性用の服を選んでいるゆるふわ。
店員さんと話してすごく和やか。
そして。それを後ろから見ている、状況についていけてない私。

「萌ちゃん!次はこれ着てみて!」
「いや……さっきから何度も試着してるけど、別に買う気な――」
「いいからいいから♪」

服を持たされて試着室に無理矢理押し込まれる。
今度はチェックのスカートかぁ……
ゆるふわのセンスは私に似ているのか、可愛いと思えるものばかりを持ってきてはいる。
けど、さっきから着せては『違う』。着せては『なんか違うんだよなー』と、ゆるふわの好みに合うものにはならないらしい。

「萌ちゃん着たー?サイズどおー?開けていいー?」
「ちょ!私が開けるまで開けちゃダメに決まってるでしょ!」

すごい……ゆるふわに流されてるよ私ぃぃ……



「買い物って楽しいよなー!さ、次はどこに行こうか?」

結局スカートを買ってもらいました。。。
会計の時に『自分で払う・俺が払う』とひと騒動ありつつ、ショッピングモールを歩く。

「ホントに楽しそうですね……」
「あり?何でそんなにテンション低いかなー?」
「楽しいのはいいけど……店員のお姉さんに色目使って値引きしてもらうのやめましょうよ……」
「え?何の話?色目なんか使ってねーじゃん。オネーサンが優しかっただけだって♪」

……コイツ……

「あ、もしかしてまたヤキモチ?」
「んな……!」

キッ!と睨むとゆるふわは嬉しそうにニコッと笑って近づき、耳元で囁く。

「心配しなくても、俺が好きなのは萌ちゃんだけだって。ね……好きだよ……」

…………っ!

「顔真っ赤!かわいいなーもう!」

む……ムカツクゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!


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