ゆるふわなキミ
「キミって春日さんって言うんだね。下の名前は?」
「あ、えと、萌……」
「かすが もえ ちゃん……と。ふむふむ。
カワイイ名前だね~♪」

昨日も歩いた道を、今日はゆるふわと手を繋いで歩いてる。
そろそろ行列のできるクレープ屋さんが見えるかなぁ?

「あ、オレはタクミね。山ノ内拓海。
やまにカタカナのノに内側のうちで やまのうち」

……ちょっと待って。
うちだかそとだか知らないけど、なんで一緒に歩いてんの??
なんか知らないけど、楽しそうだしゆるふわ!

「あ!あの!えと!」
「タクミ、ね。何?萌ちゃん♪」

うっさい!別に名前聞いてるんじゃないし!

「私に何の用なんですか!?
学校で待ち伏せなんかして!」
「制服で学校わかったからさ。
もう一度会いたいな~って思ったらつい。ごめんね」

しゅん、と叱られた子犬のように悲しそうな顔をしてる。
う、か、かわいい……じゃなくて!

「あーゆーの困るんです!」
「クラスの女子にまたいじめられるから?」


……え?


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