どうしようもない幼なじみに…



 仕方なく、大和の申し入れ(命令)を受け入れて私たちは一対一を始めた。

 ルールは簡単。

 普通に行うバスケの試合がチーム戦じゃないってだけ。

 攻防戦の繰り返しで先に十点取った方が勝ち。

「桃花、前より動き鈍くなってねェか?中三で部活引退してからトレーニングサボっただろ」

 大和がディフェンスの姿勢で聞いてくる。

「……図星か」

 黙っていると、低い声で言われた。

「大和は?大和はトレーニングしてたの?」

「もちろん。朝と夜の走り込みは欠かしてないぜ」

 そういえば、寝室から外を見るといつもトレーニングウェアの大和が家から出てきてたっけ。

「さすが大和。バスケバカだね」

 私が言うと、大和は不機嫌そうな顔をする。

「バスケは好きだけど、バカじゃねぇよ」

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