どうしようもない幼なじみに…



「だ、大ちゃんのバカ!」

 またパニくってるし。

「バカじゃねー」

「お、押し倒したりなんかするわけないでしょ!?バッカじゃない!?」

 桃花の吐息が首元にかかって胸がドキドキした。

 桃花って、こんなに甘い香りしてたっけ?

 鼻をくすぐる甘い香りに、誘惑されかけてる俺。

 なんか情けねー。

「と、とにかく早く凌太のトコ行くぞ」

「行きたいけど行けないの!」

 桃花が怒ったような口調で言った。

「はぁ?なんでだよ」

「だって、手が抜けない!」

 それで俺は気付いた。

 腰あたりの違和感は桃花の右手だったのか。…つまり、今の状況は桃花の左手と俺の右手がつながった状態で、桃花の右手は俺の腰の下にある。

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