野獣に魅せられて・・・
「ありがとうございます・・・

あの、オレがこんなこと言うのは、

お門違いだってわかってるんですが」


「・・・玲奈の事?」



「・・・はい」


「もう、終わったことだ」


「…オレのせい、ですよね」



「…違う。

玲奈の手を離したのは、自分自身。

潤也先生との事は、何も思ってない」



「空港に、玲奈は行きませんでしたか?」


「・・・」


「・・・来たんですね?」


潤也の問いかけに、

オレは静かに頷いた。

「彼女、何か言いませんでしたか?」


「・・・告白されたよ」


「正樹先生は、玲奈の事、

もう、何とも思っていないんですか?」


「…思ってない」
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