野獣に魅せられて・・・
苦しくて、息もできない。

・・・

それに気づいた佐々木先生が、

私をギュッと抱きしめた。

「・・・落ち着きなさい。

ゆっくり、深呼吸して・・・」

・・・

私は涙を流しながら、

必至に深呼吸した。

・・・

何度目かでやっと落ち着いてきた。

・・・

それに安堵した佐々木先生は、

私の背中を優しくトントンしながら、

謝ってきた。


「…なんだか、

辛い事を、思い出させてしまったかな?」


「・・・いえ」


「・・・ごめん」


「大丈夫です・・・」


「君の傷を癒せない・・・かな」


「・・・え」


「・・・ごめん・・・

オレも君を想う一人だったりするから」
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