野獣に魅せられて・・・
「…矢野先生、ちょっとすみません」

そう言いながら、

自分のロッカーに向かった伊藤。

・・・

中をガサゴソと漁ってる・・・

・・・

「何か探し物か?」

・・・

オレの問いかけに、ビクッと

体を震わせた伊藤。

でも、

ロッカーから出した顔は、

いつものように、

優しい笑顔。

・・・

「…いえ、何でもないんです」

・・・

言葉とは裏腹に、

やはり何かを探してる様子。

言った後に目をキョロキョロさせている。

・・・

探し物。

きっとそれは、

この写真・・・

「早く行かないと、

申し送りに間に合わないぞ?」

「そ、そうですね、それじゃあ」
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