野獣に魅せられて・・・
「お前に冷たくすることしかできないオレを、

どうか許してくれ・・・」


そう言った後、

私の頬に、

一滴の涙が落ちた。

・・・

正樹は今も、

こんな私を、

心から愛してくれてる。

・・・

潤也を好きだと言ったのに、

私を悪く思う事すらなく、

ただ一途に・・・

・・・

冷たい眼差しや言動は、

愛情の裏返し・・・

そうさせてしまった自分が腹立たしかった。

・・・

私は寝たふりをしたまま、

正樹を抱きしめた。

正樹もそれに応えるように優しく、

あの頃と同じように、

包み込むように抱きしめ返してくれた。

・・・

正樹、ごめんなさい・・・

私のせいで、貴方を、

こんなにも、苦しめるなんて・・・
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