ロンリーファイター
「実はさ、滝さん独立したいらしくてさ」
「え?」
「今すぐってわけじゃないけど、あと何年かのうちにこの会社辞めて、自分で新しい会社を作りたいんだって」
「へー…あ、じゃあ」
「そう。それで、その時に一緒についてきてくれないかってずっと誘われてるの」
「……」
新しい、会社のために…
『だから俺について来てほしいんだって』
あぁ、だから、あの言い方…
「…ちなみに滝さんがずっと椎菜さんを好きだって話は」
「へ?何それ?」
「西島さんたちが言ってて…」
「ないないない!だってあの人バツ3だよ?面倒事になるからって周りには言ってないけど、つい何年か前まで管理部の事務の子と結婚してたのに!」
「ばっ…バツ3!?」
「びっくりしちゃうよねー。一回も出来てない私が言うなって感じだけど、あれはあれで結婚しすぎ」
あはは、と笑う声に頭の中ではぐるぐると様々なことが巡る。