ロンリーファイター



「…、」



一人早足で歩く朝の道は、眩しい日差しとは裏腹に痛いほどの寒さが伝う。

はぁ、と吐き出した溜息は、真っ白な形となってすぐに消えた。



(…やっぱり)



酔っ払ってただけで誰でもよくて、特別な気持ちとかはない。

それなのに、私一人で浮かれて恥ずかしい。





バカみたい。

わかってたのに、わかってなかった。

本当、バカだ。



「…、」



柄にもなく泣き出しそうな自分にぐっと唇を噛んで堪えたら、鼻の奥にツンとした痛みを感じた。

それにまた更に泣きたくなった、冬の朝。







< 180 / 333 >

この作品をシェア

pagetop