ロンリーファイター







「お…お見合い!?」



部長と二人、話をしに来た応接室でその言葉に私は声をあげた。



「声がでかい!」

「あ…すみません」



けど声をあげるのもそのはず。何事かと思えば、いきなり部長から『お前にお見合いの話がきてる』なんて言われたのだから…そりゃあびっくりもする。



「でも何でいきなり?ていうか誰と…?」

「…その相手というのもだな、うちの社長のご子息なんだ」

「社長の息子!!?」

「だから声がでかい!!」

「いや、だって…」



社長の息子が、お見合い?

しかも私と??



(あ…頭がついていかない…)



「何でもあちらがお前の働きぶりに感心して、ぜひ一度話をしたい、それで上手くいくようならぜひ縁談を…とのことらしくてな」

「……」



驚きのあまり呆然とする私に、部長ははぁと溜息をつく。



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