ロンリーファイター



「おはよーございます」

「…あぁ、おはよー…」

「ってうぉっ、どうしたんすかその顔」

「……」



ある日の朝、出勤してきた俺の顔を見て、田口は驚いたように反応する。



それもそのはず。俺の左頬は、それはそれは痛々しく真っ赤に腫れているのだから。



「…綾乃ちゃんに『今度一緒に遊びに行こう』ってメールしたのが彼女にバレてさ。一発食らわされた」

「自業自得っすね」

「うるせー!しかも綾乃ちゃんから返事こねーし!クソー!」

「はいはい、残念残念」



はぁ、と溜息をついても頬は痛いし今日も仕事はやらなければならない。


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