ロンリーファイター



「ごっごごごごごめんなさいいいいい!!謝ります!慰謝料払います!土下座しますから訴えないでくださいいいいー!!!」

「訴え…?いや、さすがにそこまで謝らなくても」

「いやでもこればかりはさすがに!本当にごめんなさい!ごめんなさい!!!」



ベッドの上で土下座をする私に、田口くんは一瞬何かを考えては首を傾げる。



「…あの、何か勘違いしてません?」

「へ?」

「昨日、俺稲瀬さんに吐かれただけっすよ」

「は??」



吐かれ、た…??



「こう、俺の胸元に顔うずめて…そのままおえーってすごい勢いよく」

「…じゃ、じゃあ、それ以上は何も…」

「それ以上も何も、稲瀬さん吐いてスッキリしたとたん爆睡でしたから」

「……」



な、なんだ…じゃあ『すごかった』っていうのは、私の吐き方がすごかったってことで…

よかったぁぁ〜…!!


(いや、田口くん的にはよくなかっただろうけど)


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