只今、黒天使に仕えてます
「まあ、夏休み全部っつーのは、流石の俺でも命より大切とは、思わねーが…………で、何をすりゃいいんだ。俺は?」

「何ってわけじゃねえ、来ればわかるさ」

「で、俺は何処に行くんだ?」

「質問ばっかだな。  質問質問質屋に問屋。 そうは問屋が卸さねぇ!」

「問屋よりも、まずその変なキャラを卸せ!」

「明日、ここに来い」

「まるごと、無視ですか」

「くれぐれも、他の奴等には言うなよ。 普通の人間は黒天使なんて存在はないんだから」

じゃあな、と言ってデアと云う奴は去っていった。
一体なんだったんだ。全く。


俺は、立ち上がろうとした。 
だが、さっきと今の落ちた衝動がダイレクトに伝わってきた。

「ッグッ」

『ツ』のサンドイッチの様な奇声を発しながら、俺は近くの電話ボックスまで這いずっていった。

さてさて、ここからマンションの隣の部屋に住んでる、みま美さんに、ゴツゴツのバイクででも飛ばしてきてもらうかな。

俺は財布を探る。

ん? 一銭たりとも、入っていないじゃないか。
 というか今、財布に一銭入ってるやつなんているのか?

っと、ここであのコンビニのお姉ちゃんの1000万ドルの笑顔を思い出した。

姉ちゃん「お釣りの十円、忘れて……(以下略)」


俺「君の笑顔へ、……(自我保守のため以下略)」


…………一円を笑うものは一円に泣くか、ずいぶんと言ったものだな。


俺は、ビニール袋の中の『極上ニクマン』に「はむぅ」とかぶりつき、

「ッグッ」

という、サンドイッチ奇声を発しながら、再び帰路へと着いた。
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