空から舞い降りた天使
「藤、気持ちありがとう。僕には、好きな人がいます。まだ彼女ではないけど、藤のように、はっきり言えたらいいなぁ。
藤、ごめんな。」



藤は少し明るい声で



「先生、ありがとう。言えなかった気持ちを言えただけで、それだけで、いいです。」




大丈夫かな?…藤さん。

しっかし、さむっ。
もう、マフラーとかいるかも。

私も和樹に逢いたくなったなぁ。




「藤さん、大丈夫?」



黙ったまま、こくりと頷く。



「先生、好きな人いるんやって。それで、私みたいに言えたらいいなぁって。」


「山下先生がそんなことを?」



「うん。」



「うん、よく頑張ったよ。」



一美は藤の髪をくしゃくしゃと触り、わざとふざけながら。




「帰ろうかっ。」




二人は、少し微笑み歩きだした。








歩きだしたとたん

遠くにあかねの姿を見つけ、二人はとまどってしまう。



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